貿易依存度高く
不安定な韓国経済

 韓国経済は国内の消費市場が小さく、相対的に貿易依存度が高い。輸出のGDPに対する割合は50%を超えている。財閥企業が大規模に大量生産を進めて価格競争力を高め、輸出によって得られた収益をウォン安でかさ上げするのが韓国の成長プロセスだ。

 この経済構造は海外経済の減速に対して脆弱だ。典型例が1997年の"アジア通貨危機"だ。当時、韓国は急速な自国通貨(ウォン)の下落を受けてドル建ての対外債務の支払い負担に耐え切れなくなった。韓国は、この危機を国際通貨基金(IMF)の介入、わが国からの支援などによって乗り切った。

 この時、IMFや欧米の投資家は縁故を重視する韓国の企業経営などが、過剰な債務累積につながったと批判した。これは“クローニーキャピタリズム(縁故資本主義)”と呼ばれる。IMFは韓国を救済するコンディショナリティ(条件)の一つとして財閥の解体を求め、政府も応じた。

 しかし根本的な問題は是正されなかった。リーマンショック後、韓国経済はウォン安に支えられて一時的には回復した。その後、中国の減速とともに財閥企業の経営は行き詰まり、経済は低迷している。

 今年8月末、コンテナ船世界7位の韓進海運が経営破綻した。これは、サムスンの半導体などの製品、現代の自動車を韓進の海運業で輸出するという、財閥と輸出に依存した経済成長モデルの行き詰まりの象徴だ。

 財閥重視の経済政策が進められた結果、韓国では実力を備えた中小企業が育ってこなかった。技術力に関してもわが国の素材や部品に頼るところが多く、韓国が自力で技術革新を進めることは難しい。

 足元のように世界経済全体を通して需要が供給を下回り始めると、どうしても韓国経済の減速懸念は高まりやすい。それが政治スキャンダルと重なることで、国民の怒りが噴出し抗議デモの拡大に繋がっている。