小布施堂の栗鹿ノ子をバレンタイン商品としてアレンジした
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 そんな小布施の魅力を伝えたいと思ってハピキラを立ち上げ、最初に請け負ったのは栗鹿ノ子が有名な小布施堂さんの案件でした。パッケージをハート型にかわいくリデザインし、バレンタイン商品としてパルコで販売したんです。

 ……なのですが、最初は100個しか作らないつもりが私の知識不足で2000個作ることになってしまって。最少ロットという概念を知らなかったんです(笑)。でもさすがに売り切らないとヤバいと思って動いた結果、どうにか完売させることができました。そのときの達成感はものすごくて。これまで抱えていたコンプレックスも、スッと消えたんです。

──コンプレックス?

 私自身、幼い頃から国立の小学校に通っていたこともあってか、お金持ちでかわいい子たちに囲まれて育ってきたんです。「あの子はかわいくていいな」「あの子はお金持ちでいいな」と小さい頃はずっと思ってきました。でも、ハピキラを立ち上げて、そう思うことが一切なくなった。

 ハピキラって、自分が好きなことをやっているだけなのに、結果的に地方が元気になって、みんなが褒めてくれる。そんなミラクルな仕事なんです。私はこの状態を「いつの間にかヒーロー」と呼んでいます。地方創生って、最初から「THEヒーロー」を目指す人が多いけど、それだと私は疲れちゃうなと。そうではなくて、好きなこと、得意なことをして、その結果ヒーローになれたらいいなと思います。

生活はOLの給料で十分
だから中長期的なチャレンジができる

──ソニーも、副業を認めてくれた?

 はい、不思議なもので、この働き方を受け入れてもらうと、会社に恩返ししたいというモチベーションが湧いてきて、「もう一度、世界のソニーにしてみせる」と本気で思っています。真正面から否定するのではなくて、こうやって認めてくれると、会社でのお仕事も頑張れますね。

──とはいえ、すんなりOKというわけにはいかなかったのでは?

 確かにパラレルキャリアを実現したいという私に対して、現場ではネガティブな反応もあったと思います。「あのテレビに出てる子がうちにくるの?」って言われていたと聞きました(笑)。

 でも、大人のネガティブな反応って、驚きの感情がうまく表現できずに怒りの感情として出てしまっているだけなことも多いのではないかと。だからこそ、丁寧に説明すること、そして超短期スパンで会社でも結果を出すことを心がけています。

──丁寧に説明をすることで自分のポジションを獲得されたんですね。パラレルキャリアを選択して、得られたことはなんでしょうか?

 中長期的にキャリアを設計できていることだと思います。私の場合、日々の生活費はOLのお給料で賄えるので、ハピキラで得た収入には一切手を付けていないんです。金銭的余裕があるから、新しいことにチャレンジする時は、「楽しい仕事・おっきい仕事・かわいい仕事」のどれかに当てはまればやることにしています。最低限の生活は守りながら、好きなことをやってみて、それをお金にする方法を考える。そんなチャレンジの仕方ができるようになりました。