株式会社エース・マーチャンダイズは「エンタメグッズ業界」で躍進しているベンチャー企業であり、年間で1000以上のアイテムを生産している業界最大手企業だ。大手ショービジネス団体といった日本大手企業だけでなく、欧米本国から直々に依頼を受けてグッズを製作し、ブロードウェイにも商品が並ぶ。今や日本を代表するエンタメグッズ業界の企業となった。その快進撃の鍵には、「代表以外、全員女性」があるという。代表の秋山真哉氏にそのワケを聞いた。
なぜ女性社員100%の会社を
つくろうと思ったのか?
福岡出身の私は、母子家庭で育ちました。あの頃の福岡で、女性がきちんとした職につくことはとても難しく、母は職探しなどで大変な思いをしていました。それでもがんばって僕を育ててくれたことにとても深く感謝しています。だけど、「女性が働ける環境」がもっとたくさんあれば、母もそこまで苦労することはなかっただろうと思い、女性が活躍するための企業がもっと必要だと感じました。エース・マーチャンダイズは、そのための会社でもあります。
もう一つのきっかけは、30歳の頃にした大きな病気です。熱が出たまま仕事をしていたら、重度の肺炎になり、手術をすることになりました。そして半年の病院生活の間に、動脈が切れ、ショック死しかけたことがあったんです。遠のく意識の中で、ずっとお世話になっていた女性の看護師さんに「秋本さん!しっかりして!」と、名前を間違えて呼ばれたことがきっかけで、「あ、名前、間違ってる」と意識が無事に戻りました(笑)。今では笑い話ですが、私にとって象徴的な出来事です。入院生活を通して、女性に助けられることが多くあり、女性の持つ力を強く感じた機会だったのだと思います。
それ以降、積極的に女性の採用を進めていきました。本業であるグッズ製作も、男性より女がターゲットの場合なこともあり、弊社の強みになっていると思います。