先頭に立って何か行動を起こそうとして、1人だけ突出したように目立ってしまうと、匿名性の保たれた「安全」なところにいる人たちから叩かれ、足を引っ張られる。結果的に、親や社会、国に対して迷惑をかけてしまった人たちも、また同じだ。

「僕らは、社会で、いわれ続ける。自分の尻を、自分で拭ける人間になれよ!」

 誰もが、自分で自分の責任をとれる人間を目指している。でも、社会で自立したくても、外に出られない。そうしたくてもできない自分に悩み続け、罪悪感を抱えている「引きこもり」当事者の中にも、実体のない中傷や批判に傷つき、怯え、萎縮しながら生きている人たちは少なくない。

 月乃さんは舞台で、こう続ける。

「自分で自分の尻を拭けない僕は、ビミョ~に迷惑な垂れ流し男となった。そんな現実に、僕は自己嫌悪を抱き続けていた…」

 でも、45歳になって悟った。そして、「くたばれ、自己責任!」と、繰り返す。

「なぜ、自分で自分の尻を拭かなければいけないのか! 時代はもう、ウォシュレットの時代です。私の罪も、迷惑も、負い目も、水に流してください! 誰か私の罪を、拭いてください!」

 そう叫び続ける月乃さんも、実は現在、会社員だ。ただ、自宅や勤務先が新潟市にあり、有給休暇を使って行う、こうしたライブ活動のコストはほぼ「持ち出しに近い」という。

引きこもり、アルコール依存症から見事脱出!
仕事を13年続けられた「先輩の言葉」

 月乃さんは高校時代、醜形恐怖症と対人恐怖症がきっかけで、不登校になった。以来、「引きこもり」の生活を続け、アルコール依存症にも陥った。

「引きこもり」を脱することができた理由は、病院に入院して、当事者グループにつながったこと。そして、いまはビルメンテナンス業の会社に、約13年間勤務を続けられるまでになった。