虚数とは複素数平面における90°回転である

 虚数「i(アイ)」とは、「2回かけると(-1)になる」という不思議な数でした。すべての数は2乗するとプラスになるハズだったのに!

 そしてその不可思議な「i」は、「90°回転」と考えると簡単なのでした。

三谷作成 拡大画像表示

 これまで数の旅人は、数直線、つまり実数という1本線の上を歩くだけでした。でもそこに、虚数という直交する軸が現れ、平面上を歩き回れるようになりました。

 この平面を複素数平面といいますが、複素数を表現するために、大数学者ガウス(*1)によって1811年頃、導入されました。周期的にぐるぐる回るような現象、つまり「波」を数学的に記述するのにとても便利でした。

 この世は「波」でできています。振動も波動も波です。素粒子といった物質そのものも波ですが、その運動もまた波として表現できます。電気・電子工学での回路解析、機械工学・ロボティクスでの制御理論、土木・建築系での振動解析などで、複素数は大活躍しているのです。

 前回の「負数の引き算の難しさ」への反響があまりに大きかったので、つい、「かけ算の意味」「負数のかけ算」のお話し、そして「虚数」「複素数平面」の世界まで。

 それらの本質はなんだろうかとこの2週間、考え続けていました。「×(-1)は180°回転」「×(i)は90°回転」を思い付いたときは、結構うれしかったです(笑)

 これが私自身の探究の旅。あの三女の涙から、10年後の到達点です。

*1 1777~1855。ガウスは3歳で父の給与計算の誤りを指摘したという。数学、電磁気学、天文学に多くその名を残した。

参考資料
『かけ算の教え方』(数育会)
「カール・フリードリヒ・ガウス」Wikipedia

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