金正日・北朝鮮総書記が12月17日午前8:30、心筋梗塞により移動中の電車内で亡くなった。核問題や拉致問題、脱北者など多くの問題を孕む北朝鮮の今後の体制はどうなるのか。朝鮮近代経済史を専門とする宮塚利雄・山梨学院大学教授に展望を伺った。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 片田江康男)

中国のお墨付きを得ている
金正恩を体制の中心に据える

――金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去により、北朝鮮の国や指導体制はどうなると見るか。

みやつか・としお 山梨学院大学経営情報学部経営情報学科教授。朝鮮近代経済史が専門。檀国大学校大学院博士課程修了。著書に『北朝鮮の暮らし』(小学館,2003年)『がんばるぞ北朝鮮』(小学館,2004年)『北朝鮮驚愕の教科書』(文藝春秋,2007年。宮塚寿美子との共著)など。

 まず、北朝鮮がすぐに崩壊することはないだろう。理由としては、中国と韓国は国のトップが変わるからだ。自分の国の指導者が変わるタイミングで、隣の国で大きな変化があっては困る。だから、なるべく混乱を抑えるように行動するはずだ。

 特に北朝鮮の最大の支援国である中国は、なるべく北朝鮮で混乱が起こらないように行動している。国境警備を強化しており、脱北者をなるべく出さないようにしている。悶着を起こすな、というのが今の中国の姿勢だ。

 とりあえず、金正恩(キム・ジョンウン)を中心に置いて、軍と党が支えていく体制をとるだろう。中国も金正恩を認めているし、トップになることを望んでいる。

 ただし、それがいつまで続くか分からない。軍と党がいつまでも仲良くしているとは思えないからだ。一時的な体制だと考えるべきだ。

―― 一時的な体制とはどういうことか。その後はどうなると見ているのか。

 金正恩はまだ28歳で国を統治する能力はない。「父親あっての正恩」だった。国内では「青年大将」なんて言われているが、実際にはそんなこと誰も思っていない。