「驚くほど多くの人たちが、仕事にはいろいろな仕方があることを知らない。そのため得意でない仕方で仕事をし、当然成果はあがらないという結果に陥っている」(『プロフェッショナルの条件』)
ドラッカーは、生まれつきか育ちかは別として、「仕事上の個性は、仕事に就く前に形成されている」という。人は、強みを発揮する仕事で成果を上げるように、得意な仕事の仕方で成果を上げる。
仕事の仕方について、初めに知っておくべきは、自分は“読む人間”か“聞く人間”かである。
次に知っておくべきは、得意とする学び方である。世界中のあらゆる学校が、学び方には唯一の正しい方法があり、それは誰にとっても同じであるという前提に立っている。間違いである。
仕事の仕方としては、人と組むほうがよいのか、一人のほうがよいのかを知らなければならない。組んだほうがよいのであれば、どのように組んだときによい仕事ができるのかを知らねばならない。
大きな組織で働くほうが仕事ができるのか、小さな組織のほうが仕事ができるのかも知らなければならない。
自分は意思決定者と補佐役のどちらで成果を上げるのか、という問題もある。補佐役として最高でありながら、意思決定の重荷に耐えられない人もいる。これらのことは、かなり若いうちに決まる。
「今さら自らを変えようとしてはならない。うまくいくわけがない。自らの得意とする仕事の仕方を向上させていかなければならない」(『プロフェッショナルの条件』)