上田惇生
第3回
人間関係のシンプルな真実
寿命が延びたからこそ生じる、仕事、キャリア、生きがいの問題に、いま、わたしたちはどう向き合うべきか。実は半世紀も前に、ドラッカーのアドバイスは用意されていた。1970年代に収録されたドラッカー本人による「幻の研修テープ」が、このたび初めて翻訳され、書籍化された。最終回は、「第2章 上司として成果をあげる」より、本文の一部を無料公開する。

第2回
仕事人間こそ、気をつけるべきこと
寿命が延びたからこそ生じる、仕事、キャリア、生きがいの問題に、いま、わたしたちはどう向き合うべきか。実は半世紀も前に、ドラッカーのアドバイスは用意されていた。1970年代に収録されたドラッカー本人による「幻の研修テープ」が、このたび初めて翻訳され、書籍化された。今回は、「第7章 生き生きと生きるために」より、本文の一部を無料公開する。

第1回
寿命が延びた時代をどう生きるか
寿命が延びたからこそ生じる、仕事、キャリア、生きがいの問題に、いま、わたしたちはどう向き合うべきか。実は半世紀も前に、ドラッカーのアドバイスは用意されていた。1970年代に収録されたドラッカー本人による「幻の研修テープ」が、このたび、初めて書籍化された。計3回にわたって『われわれは いかに働き どう生きるべきか』の内容紹介、および、本文の一部を無料公開する。

ドラッカーが遺した幻の映像を書籍化――上田惇生
1960年代~1980年代にドラッカー自身が企画・制作し、自らコンサルタント役で出演した経営ドラマシリーズ(映像作品)が、初めて『ドラッカーの実践マネジメント教室』として書籍化された。邦訳を終えた上田惇生氏によるこの貴重な作品の誕生の背景の紹介とともに、映像の一部を公開する。

最終回
転換期にあって重要なことはマネジメントの基本と原則を確認すること
ドラッカーは、大中小さまざまの企業、病院、大学、政府機関とかかわりを持つ過程において、マネジメントが決定的機関となり、そのマネジメントには基本と原則があることを痛感していった。

第368回
現場の仕事は不得意だがなすべきことは山ほどある 政府に必要なのは分権化
ドラッカーは、続けてこう言った。この原理を国に適用するならば、実行の任に当たる者は、政府以外の組織でなければならない。国における分権化とは、実行にかかわる部分は、政府以外の組織に行わせることである。

第367回
人に卓越性を発揮させて優れた組織文化を実現するにはそのための行動規範が必要
優れた組織の文化は、人に卓越性を発揮させる。卓越性を見出したならば、それを認め、助け、報いる。そして他の人の仕事に貢献するよう導く。したがって優れた組織の文化は、人の強み、すなわち、出来ないことではなく、出来ることに焦点を合わせる。

第366回
優れたリーダーは“私”とは言わずに“われわれ”と言う
ドラッカーは、リーダー用の資質などというものはないと言う。リーダーにはいろいろなタイプがある。しかし、リーダーたるために必要とされる姿勢は、いくつかある。

第365回
ドラッカーは、弱みを克服せよとは決して言わない。そのようなことは至難である。たとえ、成功しても、その過程で強みまで危うくする。しかし組織は、人それぞれの弱みを意味のないもの、たいしたことではないものにすることはできる。

第364回
人間関係というものは全体への貢献と仕事への貢献を中心に置くことで一変する
人間関係に悩む若者が増えたせいか、人間関係についてのハウツーが、多く書かれ、多く読まれている。しかし、人間関係の根本は人間関係のスキルによって左右されるのではない。

第363回
「戦略計画」で必要なのはわれわれの事業は何かという問いへの答えであり行動である
未来は、望むだけでは起こらない。そのためには、いま意思決定をしなければならない。いま行動し、リスクを冒さなければならない。必要なものは、長期計画ではなく戦略計画である。

第362回
チェンジ・リーダーたるには予期せぬ成功の追求とそのための予算が必要である
最初から完璧なものはありえない。必ず予想しなかった問題が出てくる。逆に大きな障害と思ったものがたいしたことがなく、あるいはまったく存在しないことがある。仕事というものは、初めに考えていたものとは必ず違ったものになる。

第361回
成果を上げる人間関係は貢献に焦点を合わせることで驚くほど容易になる
ドラッカーは、同じことを、角度を変えてこう言う。「仕事に焦点を合わせた関係において成果が何もなければ、温かな会話や感情も無意味である。言い繕いにすぎない。逆に、関係者全員にとって成果をもたらす関係であるならば、失礼な言葉があっても人間関係を壊すことはない」。

第360回
業績を評価するには五つの計器が必要である それぞれ数字のトレンドを見よ
経験豊かな経営者は、業績をたちどころに測る公式などないことを知っている。自動車がダッシュボードにいくつかの計器をつけなければならないように、会社の経営にも、いくつかの計器が必要である。それほどは必要ない。

第359回
公的機関は成果を上げられなくなったときその存在意義を失う
1980年、ドラッカーが「パブリック・アドミニストレーション・レヴュー」誌に寄稿した論文である。『日本 成功の代償』に収載されているが、日本の公的機関についてだけ書いたものではない。世界中の公的機関が抱える問題を論じている。

第358回
明日をつくるために今日なすべきことがすでに起こった未来を探すこと
ラッカーは、「すでに起こった未来は、体系的に見つけることができる」と言い、調べるべき領域は五つあるという。

第357回
ドラッカーは、継続と変革の両方が必要だという。そこで、本当はどちらが必要かとしつこく聞けば、継続が必要だという。人も社会も、本当に必要とするのは継続である。

第356回
今後トップの仕事は、私が知り得るかぎり最も複雑な仕事、すなわちオペラの総監督の仕事に似たものとなる。スターがいる。命令はできない。共演の歌手が大勢いて、オーケストラがいる。裏方がいる。そして聴衆がいる。すべて異質の人たちである。

第355回
ドラッカーの言う「改革の原理としての保守主義」とは何か
保守主義とは、明日のために、すでに存在するものを基盤とし、すでに知られている方法を使い、自由で機能する社会をもつための必要条件に反しないかたちで具体的な問題を解決していくという原理である。

第354回
われわれは政府に奇跡を求めた奇跡を求めれば得られるものは幻滅である
政府はあらゆる国において最大の雇用主になった。そしてあらゆるところへ進出した。しかし、それは本当に強力になったのか。単に巨大になっただけか。政府は巨大になっただけであり、費用はかかっても、成果はさしてあげていないことを示す証拠は山ほどある。
