新年は気持ちをリセットする良いきっかけとなる。初日の出を見、あるいは初詣をするなどして誰もが気持ちを新たにし、“良い一年にしよう”と思うわけだ。
勝負に明け暮れるプロアスリートも、こうした節目を大事にする傾向がある。新年を荒行など特別な儀式をして迎える選手は少なくない。好成績を得るには技術や体調だけでなく、意識も含めた強いメンタルが必要。それを鍛えることは自信にもつながるし、そうした行いをする姿勢はツキという運を招くといった思いもあるからだ。
プロ野球選手の場合は契約更改も気持ちを新たにするきっかけになる。前年、好成績を収めて年俸が上がった選手は、来年はさらに上げようと一層の努力をする気になるし、下がった選手は発奮材料になる。また、球団も選手のモチベーションを高めたり、気持ちを一新させる方法を、いろいろと考えている。たとえば背番号の変更だ。
エースナンバー「18」から
絶頂期の背番号「1」へ
とくに今オフはひとりの選手の背番号変更が大きな話題になった。北海道日本ハムの斎藤佑樹の「18」から「1」への変更である。
ご存じの通り、斎藤には栄光に彩られた過去がある。2006年の夏の甲子園決勝で、早稲田実業のエースだった斎藤は駒大苫小牧の田中将大(現・ヤンキース)と球史に残る投げ合いを演じた。15回延長で決着がつかず、再試合を行い勝利投手に。投球回69、投球数948はともに高校野球最多記録となる壮絶な投球だったが、にもかかわらずクールにハンカチで汗をふく仕草で“ハンカチ王子”と呼ばれ、日本中が注目する人気選手になった。