ところが、Gさんが転職したこの職場はルールが違うようです。この何か解せない気持ちを誰にぶつけていいのかもやもやした気持ちになり、飲みにいった際の支払いルールを誰かに確認したくなりました。

 ただ、なかなか同じ部署の同僚には聞き出せず、この会社に1年早く転職し、前職も同じだったRさんにメールしてみました。

《Rさんご無沙汰しています。お元気ですか?少々、お尋ねしたいことがあります。一度、ランチでも如何でしょうか?》

 数時間後、Rさんからメールが返信されてきました。時間を調整してランチが実現したのは翌週でした。

「Rさん、1つお聞きしたいことがあります。この会社で同僚と飲みに行ったときの支払いのルールってどうなっているのですか」

 Gさんは同じ職場の先輩と飲んで、危うく全額払わされそうになった経験を話しました。するとRさんが苦笑いしながら、こう語りました。

「確かに前の職場からすれば違和感のある支払いルールだよね。まず、この会社は飲みに行ったら先輩・後輩は関係なく割り勘。役員とかが相手なら違うけど、年が離れた先輩でも割り勘」

 さらに社歴や年齢に関係なく、教えを乞うたと思った人は全額払うのが慣習とのことでした。つまり、前回の飲みの席でSさんは、Gさんに会社の仕組みなど教えたのだから、Gさんが飲み代を払ってくれて当然と考えるのは、この会社ではおかしいことではなかったのです。

 さらにRさんは説明を加えます。

「考えてみれば間違った慣習でもないのだよね。前職は年功序列が強かったから役職も給料も年上の方が高いのが当たり前。ところが、この会社は成果主義の色が濃い。先輩社員でも後輩より年収が大幅に低いとか、役職が逆転する場合もある。だから、すべて割り勘で通しているのだと思うよ」