最強上司に教わった
「グローバル時間最」速化マインド

 その元ボスは、筆者がマイクロソフト・シンガポールに就職して、最初の上司になった女性だ。台湾生まれ・アメリカ育ちの台湾人で、スタンフォード大学を卒業したエリートである。彼女はアメリカの戦略コンサルティング会社、マイクロソフト・シンガポールを経て、現在はマイクロソフトの競合となるアメリカのIT会社でコンサルタントとして活躍している。

 これまでも何度か語ってきたが、かつて筆者はシンガポールにやって来る前の約7年間、文字通り“天狗”状態だった。「外資系企業の日本支社」という後ろ盾のもと、「グローバルビジネスマン」を自称していたのだ。

 そして満を持してのシンガポールへの海外転職。「日本支社から来た担当者」という印籠を失い、全く違うグローバルビジネス方式とルールに戸惑い、一度に3つのグローバルプロジェクトを任せられ、心身ともに疲弊していた。

 そんなとき、自慢のリーゼントも垂れ下がった筆者を気遣い、元ボスは声をかけてくれた。そのとき「これ幸い」とばかりに、筆者は3つの大規模グローバルプロジェクトのプロマネをかけ持ちすることがいかに大変で無謀かを、必死に訴えかけた。

 ところが、筆者は驚きの事実を知ることになる。いつも涼しげに仕事をこなしていた元ボスは、10個のプロジェクトを担い、毎日のように筆者の倍以上のメールを受け取って、多種多様な仕事をこなしながらも、なんとMBAの準備をし、教会の慈善活動まで積極的にこなしていたのだ。年下の元ボスに、圧倒的な力の違いを見せつけられた筆者は、あまりに恥ずかしく惨めな気持ちになってしまった。

 そんな筆者に元ボスは、「Hyogoの一番の問題は、仕事を就業時間中に終える気概がないことだ」と言い、残業をゼロにするための心構えと方法を教えてくれたのだ。それは以下のようなことだった。

(1)最高の仕事をするには、残業を限りなくゼロにして、精神的にも肉体的にも健康な状態を保つべし。

2)継続的に良い仕事をするためには健康であることも大切だが、市場の動向やビジネスニーズを分析し、常に最新のビジネストレンドを勉強すべし。

(3)緊急事態は常に起こることだと認識する。緊急時には、適切な対処を即時行うために、常に時間のゆとりをつくり出しておく。

(4)時間のゆとりを生み出すためにも、通常業務は必要な仕事を見極め、スピーディに進めるべし。