たった1日でもTOEICテストで効果が出る、「日本語先読み勉強法」とは?『たった3か月でTOEICテスト940点!47才中年サラリーマンの奇跡を呼ぶ勉強法』の著者に聞く、オキテ破りの勉強法の連載5回目。単語の暗記は1000語だけ、辞書は引かない、スペルは書かない、仲間は作らない!

試験まであと1日しか無かったら
迷わず「日本語を読め!」

 「TOEIC試験まであと1日しかない!何をすればいいの!?」
 と聞かれたら、私は迷わず、「日本語を読め」とアドバイスします。
公式問題集の日本語部分、つまり、「問題文の和訳」と「解答・解説」を読むのです。

 あと1日しかなければ、これだけで時間切れかもしれません。
 時間があれば、

 日本語→英語→日本語

 の順に読むのがベストです。
 私は日々の学習にも、本番直前のおさらいにも、この「日本語→英語→日本語」のサイクルを活用しています。

 まず日本語(問題文の和訳と解答、解説)を読んで、内容や解答を理解した上で、英文を読んで問題を解いてみます。
 その後で、もう一度、日本語の解説を読みます。

メリット(1) 
「TOEICは難しい」に騙されない!

 「日本語先読み」のメリットはたくさんありますが、一番は、「TOEICは難しい」という先入観を持たずにすむことです。

 いきなりTOEICの英文から入ると、多くの人は英語の洪水に面食らいます。
 そして、「全然わからない」→「難しいことが書いてあるに違いない」と思い込んでしまいがちです。

 ところが、問題文を日本語で読んでみると、大したことは言っていない。ビジネスや、ふだんの生活の中で慣れ親しんでいる内容ばかりだと気づきます。

 「えっ、こんなにシンプルな内容なの?」と拍子抜けするくらいです。

 英文からTOEICに触れると、すべてが難しく思えてしまいますが、日本語から入ると、余計なフィルターに左右されないというメリットがあります。

メリット(2)
「ひっかけ問題」にひっかからない

日本語で先に「正解のからくり」を理解しておくと、ひっかけ問題に対処できます。

 たとえば、リスニングのパート2で、「When did you meet her?(いつ彼女に会いましたか?)」という設問に対して、「I met her last week(先週会いました)」と、「I met her in the park (公園で会いました)」という選択肢が示されたとします。

 明らかに、冒頭の「When」と「Where」の聞き間違いを狙ったひっかけ問題です。日本語だと簡単に答えが選べますが、英語ではとたんに難しく感じてしまいます。

 ところが、あらかじめ、「疑問詞の聞き間違いでひっかけようとする問題がある」ことがわかっていれば、そこに注意を向けることができます。

 もちろん、英文を読んで、問題を解く中で、「こういうひっかけもあるんだな」と、自然に気づくことが理想でしょう。

 ただ、時間がなかったり、英語力がまだまだ低めという人が、効率的にスコアを上げる作戦としては、日本語でTOEICの傾向を先に掴んでおく、ということが重要になります。

 特に、あと1日しかないといった、極端に時間がない中では、日本語で読んで、ひっかけのパターンを知っておくことは効果大です。

メリット(3)
「なぜ正解か」のメカニズムがよくわかる

 実は、私がTOEICで一番苦労したのが、「設問」と「選択肢」でした。
 問題文の内容がわかっていても、設問も選択肢も抽象的で、「いったい何を聞かれているのかわからない」ことや、「どの選択肢を選べば正解なのかがわからない」ことが多々ありました。

 そこで、先に日本語を読む方法に変えたところ、「どうしてAが正解でBが不正解なのか」の理由が明快になり、一定の「正解」「不正解」のパターンが見えてきました。
 「正解のメカニズム」を会得できたのです。

 TOEICを何回も受けたことのある人や、研究しつくしている人なら、「TOEICでこういう問われ方をしたら、こういう選択肢を選べば正解」といった法則的なものがわかっていることでしょう。

 でも、まだTOEIC歴が浅い人の場合、その域に達するには、日本語で読むのがてっとり早いです。

私は、試験会場でも、ギリギリまで公式問題集の日本語を読んでいます。
 それは、中途半端に、英単語や演習問題を復習するよりも、「なぜ正解(不正解)なのか」のTOEICならではのメカニズムを頭の中にたたき込む方が、スコアに影響するからです。

直前だけでなく、普段の学習にも
日本語→英語→日本語 は役に立つ

 本番まであと1日しかないという切羽詰まった状況でなくても、日本語先読み勉強法は使えます。

 問題集や参考書の問題文の和訳や解答、解説を先に読んでから、英語で問題文を読んで問題を解き、最後にもう一度、日本語の解説を読みます。

 この、日本語→英語→日本語のサイクルを繰り返すと、「先にポイントをつかむ」→「英語で確認する」→「日本語で理解を深める」の流れがつくれます。

 一般的な、「いきなり英語の問題を解く」→「答え合わせをする」→「解答・解説を読む」→「ようやくポイントがわかる」→「英文に戻って再確認する」サイクルよりも、先にゴールを知り、最短でゴールにたどり着くことができる合理的な方法です。

あきらめるのはまだ早い!
いくつになっても英語はモノにできる

 記憶力も体力も落ちた47歳でのTOEIC初受験は、正直、苦しいものがありました。
 何回やっても覚えられない、身体も頭も言うことを聞いてくれない。
 それでも知恵と工夫さえあれば、いくつになっても結果を出せることを学びました。

『たった3か月でTOEICテスト940点! 47才中年サラリーマンの奇跡を呼ぶ勉強法』では、「日本語先読み勉強法」の他にも、「3か月間だけでいいから集中する!」「単語は1000語でいい」など、最短ルートで最高の成果を出すコツをすべてお伝えしています。

 「英語は苦手だ」とあきらめるのは、まだまだ先のこと。
 いくつになっても英語は上達できます。
 いくつになってもTOEICで高スコアを出すことができます。

なによりも、TOEICに挑戦して、長年の英語コンプレックスを克服できたことは大きな自信になりました。
 何かが「できない」と、引け目を感じなくていい人生が、こんなにも晴れやかなものだったとは。

 みなさんも3か月間だけ、頑張ってみませんか?
 人生に英語をプラスするだけで、新しい扉が一つ開けることは間違いありませんから。