『週刊ダイヤモンド』1月21日号の特集は「天才・奇才のつくり方 お受験・英才教育の真実」。高所得者層の子女を中心に独特の世界を形成する小学校お受験の最前線を追った。その一部をお届けする。

 私立小学校に掛かる学費の相場は年間でおよそ70万~100万円。下表の「2016年度学費初年度ランキング」(お受験じょうほう<バレクセル>のデータを基に編集部作成)で上位に入る有名ブランド校ともなれば、6年間の学費は600万円超えがザラだ。

 経済的な面からも私立小学校進学という選択肢は安易に手が出せるものではない。お受験ブームで近年ピークだった2007~09年度に約4万人前後だったのが、近年の小学校受験者数は全国で約3万5000人と、市場はそう大きくない。大きくはない市場ではあるが、志望校合格を目指す熱は煮えたぎり、熾烈なお受験戦争を繰り広げている。

 中学、高校、大学の受験と違って、小学校受験では基本的に偏差値が存在しない。学校は単純比較しにくく、志望校選びには価値観が大きく影響する。それでも有名校では「暗黙の序列」が存在する。

 この序列に異変が起きている。「人気校の2011~17年度志願者数推移(首都圏)」(教育図書21のデータを基に編集部作成)を見ると、洗足学園小学校、目黒星美学園小学校など中学受験に強い学校の志願者数が伸びている。

 親の意識が変化し、ブランド校一辺倒から、学校に具体的な成果が求められるようになってきた。中学受験で合格実績の高い新興勢力が台頭し、有名大学付属のブランド各校が上に立ってきた従来の序列を崩しにかかっている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部)

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