覚せい剤で逮捕された
清原は膝蹴りで大乱闘

 同じ年、口撃ではなく蹴りを入れる乱暴を働き、出場停止になった選手もいる。

 9月23日、西武ロッテ23回戦(西武ライオンズ球場)、4回裏、ロッテの平沼定晴投手が投げた初球ストレートが西武バッターの左肘を直撃。それに怒ったバッターは、右手に持ったバットをピッチャーに投げつけ、マウンドに駆け上がりざまに膝蹴りを加える大乱闘となった。

 ピッチャーは全治2週間のケガ、バットを投げつけたのは日本球界史上初とも言われ、4万5000人の観衆の前で行われた暴行に対して制裁金30万円、出場停止2日間の処分が即座に下された。

 この人間「瞬間湯沸かし器」こそ、2016年2月に覚せい剤取締法違反で逮捕・起訴された清原和博氏である。ところで、16年のクスリ繋がりでいえば、歌手のASKA氏がいる。彼は1989年、稼ぎに稼いでいた。

 1989年の高額納税者ランキング(歌手部門)は以下の通り(単位:万円、当時の芸名は飛鳥涼)。

  1 森進一     8,569
  2 北島三郎    8,288
  3 長渕剛     6,811
  4 松任谷由実   6,807
  5 井上陽水    6,134
  6 桑田佳祐    6,036
  7 石川さゆり   5,863
  8 飛鳥涼     5,542
  9 中森明菜    5,498
  10 川中美幸    4,788

 ちなみに、飛鳥氏のこの納税額は、当時プロ野球選手の最高額だった落合博満氏の5408万円を上回っており、歌手がプロ野球選手より儲かった時代であったことも分かる。

 話がそれた。かくもエキサイティングな89年のプロ野球界だが、当時、人気という面では、パリーグはセリーグに大きく差をつけられていた。セリーグの年間観客動員数1204万8500 人、1試合平均3万894人に対して、パリーグは年間観客動員数876万8000人、1試合平均2万2500人にとどまっていたのだ。

 それでも西武ライオンズはセの横浜大洋ホエールズ(当時)や広島東洋カープのみならず、阪神タイガースよりも観客動員数が多い、全国的な人気球団であった。