問題に直面したら、「自分に何を問いかけるか?」を考える

 1つの例を、ご紹介しましょう。それは、数年前に私がガンを宣告されたときのことです。

 足の付け根にピンポン玉くらいの腫れができ、病院で検査してもらったところ「悪性リンパ腫」と診断されました。

「悪性リンパ腫」というのは、白血球の中のリンパ球が“ガン化”する症状のことです。近年では、俳優の高倉健さんの死因にもなっています。

 はじめは首や脇、足の付け根など、「リンパ節」と呼ばれる部分で発生しますが、その後、血液の流れとともに全身に広がっていきます。

 私の場合は、症状はどんどん悪化し、体重がみるみるうちに落ちていきました。 

 やがて内臓も腫れ出し、少し体を動かすだけで、ものすごい激痛が走ります。ついには、ほとんど、寝たきりの状態になってしまいました。

 そんな状態になり、「ひょっとしたら自分は死ぬかもしれない」という不安を感じました。本当だったら、心が折れても、まったくおかしくない状況です。

 けれども、私は闘病生活を耐えるばかりでなく、この経験を糧に、自分を新しいステージへと進めるチャンスにも変えることができました。

 それを可能にしてくれたのが、自分が学んできたコーチングの技術を、自問自答に応用することでした。