超低金利に住宅ローン減税など、現在は「家を買う」のにオイシイ条件が整ってきているように見える。
“今が買い時”という意見に市場の関心も高まっている。しかし、自著『サラリーマンは自宅を買うな』が話題を呼んでいる石川貴康さんは警鐘を鳴らす。
「世間でよく言われている“借りるより買ったほうがおトク”というフレーズは、売る側のセールストークであることが多いので注意が必要です」
■業者側のトークを鵜呑みにしてはいけない!
“家賃を払っても賃貸住宅は自分のものにはならないが、購入してしまえば自分のものになるので結果的には得になる、経済合理的にもマル”という理論だが、これには毎月の支払額が家賃より少ないか、同程度であることが前提となる。
「特にマンションを自宅として購入した場合、修繕積立金や管理費など買った後にかかるコストがかさむので、場合によっては家賃の倍もかかっているようなケースも珍しくありません」
実はマンションのチラシに掲載されている「毎月の支払額」の例にはおトク感を演出するために意図的に試算から抜かれている費用がかなりあるという。特に注意したいのが税金に関する費用だ。
「一般的なサラリーマンは自分で確定申告をしないので税金に対する感覚が抜け落ちている人が多いですね」
印紙税や登録免許税、不動産取得税など、合計すると結構な額になったりする。固定資産税にいたっては不動産を所有する限り毎年発生するものなので負担は重い。