広報の言動を追えば
経営陣の頭の中が分かる

 原発事業に関する経営の話をしているのに、「広報」の話なんて関係ないだろ、と思うかもしれないが、報道対策を仕事としている経験から言わせていただくと、経営陣の姿勢と、企業広報は密接に関係している。

 これは人間にたとえるとわかりやすい。みなさんは、まわりにいる人が、どのような人間なのかをどこで判断するだろうか。普段何気なくしゃべっている会話から、人となりを知るのではないだろうか。

 それは企業もまったく同じだ。「広報」は「法人」の「口」にあたる。といっても、しゃべる内容を考えているのは、経営陣という「脳」である。つまり、広報が発したメッセージというのは、企業の「脳」である経営者の経営姿勢だけではなく、この世の中をどう見ているのか、さらには思想や人間性が色濃く反映されているのだ。

 そういう視点で、東芝の原発に関する「広報」を検証すると、この会社の経営陣には「都合の悪い話から目を背ける」というカルチャーが骨の髄まで染み付いていることがうかがえる。

 その象徴が、かつて東芝が運営していた「東芝と星の王子さまのスペシャルサイト」だ。

 ご存じ、フランスの作家サンテグジュペリの代表作である「星の王子さま」のキャラクターを用いてエコロジーについて学ぶというPRサイトで2009年にスタート。そのなかでエネルギー資源について、風力、地熱、太陽光などとともに原子力も紹介しているのだ。

 原発推進の広告塔に「星の王子さま」を使うのがけしからんなどと言っているわけではない。よろしくないのは、「原発」を取り巻く環境や社会の見方がガラリと変わったにもかかわらず、「原発広報」のスタイルをまったく変えなかったという点にある。