この連載ではこれまで、さまざまな長寿者の生活を取り上げてきたが、国籍や性別などが違っても、共通する点が多くあることに気づく。具体的には「食べ過ぎないこと」「動物性タンパク質をしっかりと摂取し、よく運動すること」「植物性の油を十分、摂取すること」「生涯現役で仕事をすること」などだ。

 それらを考えると、まさに日野原の生き方はお手本である。もちろん、彼の生き方や食生活は誰もがまねできるものではないし、そうすることに意味はない。

 日野原が大きな支持を集めたのは、医学的な知識に裏付けされた食生活や運動の重要性などを人々に知らしめたことだけではない。自らの生き方をして、幸せに生きる高齢者のロールモデルを提示したことが、一番大きな理由ではないか。

 彼にとって100歳はゴールではなく、分岐点。常に10年先のことを考え、予定は2020年まで埋まっているという。長生きするために一番大事なことは生涯現役ということなのかもしれない。もちろん彼は今でも健在、東京オリンピックのある20年に迎える109歳が当面の目標だという。(敬称略)