大企業と中小企業、あなたが勤めるならどちらが"幸せ"だと思うだろうか。確かに大企業は安定しているが、社員が多い分、重要なポジションに出世するのは簡単ではない。いわゆる「窓際族」になるケースもある。その点、中小企業は社内のライバルが少なく主力になりやすいが、企業自体の安定性には欠けるかもしれない。大企業と中小企業、それぞれで働く人にメリット・デメリットを聞きながら、実情を比較してみたい。(取材・文/有井太郎、編集協力/プレスラボ)
大企業だからと喜んではいけない?
社員が感じるデメリットとは
新卒生が「大企業に内定した」というと、多くの人は華々しいニュースとして受け取るのではないだろうか。おそらく就職活動で大企業に入った人は、それを周囲に伝えた際に、喜んでもらえたはずだ。
しかし、社会人として何年・何十年と働いてみると、一概に「大企業=幸せ」とは言えない気分にもなってくる。たとえば大企業は、社員数が非常に多く、出世競争が厳しかったり、いろいろな部署をたらい回しにされたりすることもある。大きな組織の中で出世できるのはほんの一握りだ。昔よく言われた「窓際族」とは、まさに大企業ならではの社員のことを指すはずだ。
一方、社員の少ない中小企業は、社内で活躍するチャンスが多く、また出世競争は大企業ほど激化しないだろう。加えて、さまざまな場面で小回りや融通がきくかもしれない。その代わり、大企業にあるような充実した福利厚生や、不景気でも簡単には倒産しない "安定感"は、望みづらいかもしれない。
大企業と中小企業、いったいどちらで働く方が幸せなのだろうか。それは初めて企業に就職するときから、途中で転職を考えるときまで、ビジネスパーソンがいつでも直面する問題だ。