「電池を主とし、エンジンを従とする」PHVは、冒頭にある内山田会長の発言のように、しばらくは石油が自動車のエネルギーの主流であり続ける中で電動車としての実用エコカーの本命ということになるだろう。

PHVはドイツ勢を中心に
欧州車が先行

 PHVについては、ドイツ勢を中心に欧州車が商品投入では先行している。また、日本車では、三菱自動車が2013年から「アウトランダーPHEV」を投入している。同車は大容量バッテリーを搭載、60.8kmのEV走行を可能とし、欧州でも高い評価を受けてPHVのベンチマークともなっていた。

 三菱自動車は、燃費不正問題を発端に日産に傘下入りしたが、EV開発、市場投入では業界で先行しており、このPHVも同社のEV開発技術からの導入であえて「PHEV」と名付けているほどだ。

「EVでは、量産・量販で世界に先行していく」と豪語していたゴーン日産だが、このところ米国の新興テスラの急成長でEVのお株を奪われている観もある。だが、ゴーン氏もEV戦略の巻き返しと三菱自との連携でPHVへの積極展開も示唆している。また、日産のエンジンを使って発電し、その電気でモーターを駆動して走る新型のHV「ノートe-Power」も市場で評価されている。

 トヨタがHVから当面このPHV主流化へ舵を切ろうとしている。あくまでも究極のエコカーはFCVとする一方で、EV開発にもデンソーなどグループサプライヤーと連携して改めて積極的に取り組んできている。「トヨタは、全方位で環境対応車を展開していく」(内山田会長)というものだが、現実的なエコカーと将来的なエコカーを睨んでの環境戦略の進め方ということなのだろう。

 いずれにしても、これまでエコカーといえばHVが代名詞だったが、HVの本家トヨタから、その進化形ともいえるPHVが本格的に名乗りを上げた。この出来事はエコカーの歴史の大きな節目といえるだろう。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)