「新しい世紀の精神的革新者」(『タイム』誌)等、メディア・著名人が絶賛する「ワーク」の基本的考え方、その2――世界には「私の領域」「あなたの領域」「神の領域」(現実)の三領域しかなく、自分以外の領域に踏み込むのをやめ、自分自身の領域にとどまれるようになると、劇的に人生が解放される。
(連載第1回と、著者のインタビュー映像はこちら)
2 自分自身の領域にとどまる
世界にはたった三種類の領域しかありません。私の領域、あなたの領域、そして神の領域です。私にとって、神という言葉は「現実」を意味します。現実こそが世界を支配しているという意味で、神なのです。私やあなた、みんながコントロールできないもの、それが神の領域です。
ストレスの多くは、頭の中で自分自身の領域から離れたときに生じます。
「(あなたは)就職した方がいい、幸せになってほしい、時間通りに来るべきだ、もっと自己管理する必要がある」と考えるとき、私はあなたの領域に入り込んでいます。
一方で、地震や洪水、戦争、死について危惧していれば、神の領域に入っていることになります。私が頭の中で、あなたや神の領域に干渉していると、自分自身から離れてしまうことになります。
私がこのことに気づいたのは、一九八六年の初め、頭の中で母の領域に入り込んだときです。例えば、「母は私を理解すべきだ」という考えをもつと、たちまち孤独感に襲われたのです。
私の人生を振り返ってみると、傷ついたり、孤独に感じたりしたのはいつも、誰かの領域に踏み込んでいるときであることに気づきました。