トップが現場の声を
宝と思えるかどうか

 この店舗が流行らないわけがない。こうして2016年10月に『DIFFERENCE』を出店すると、このビジネスは圧勝だった。『DIFFERENCE』は郊外型店舗の坪単価の5~10倍を記録したのだ。湖中社長が話す。

「お客様のご不満やご要望は、企業にとって宝です。そして、これらは必ず現場にあるのです」

 優秀な経営者は現場に行く。たとえばニトリの新社長・白井俊之氏は月に4~5日かけ、全国の店舗を回り、夜は現場の店員と酒を酌み交わす。「本部に“この商品が売れている”というデータが来ても、お客様はご不満がありつつ購入しているかもしれませんからね」と話す。三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長も、頻繁に現場を訪れる。筆者の取材時には入社5年目の女性社員が直訴してきた話をし「素晴らしい意見だった。“1人の意見を聞くなど不公平”と思うかもしれませんが、組織は言ったもの勝ちでいい」と笑っていた。

 そんな「現場型トップ」が口をそろえ、言うことがある。

「現場で何が起きているか、教えてくれる社員ほどありがたい存在はない。逆に、数字だけで判断するのは本当に怖い」

 現場の声を宝だと思えるかどうかは、トップの力量を占う指標ともいえるだろう。