あなたは部下が失敗したとき、どんな言葉をかけているだろうか。怒りの言葉か、それとも慰めか、はたまたアドバイスか――。あなたがどんな言葉をかけているかによって、これからの組織の命運が左右されかねないから注意が必要である。なぜなら、その言葉が部下の成長だけでなく、企業の新しい挑戦や成長さえも止めてしまっている恐れがあるからだ。
少子高齢化やグローバル化が進行する今、既存のビジネスモデルでは多くの企業が生き残れない時代に突入している。しかし、日本企業や日本人の多くが過去の成功体験に縛られるあまりに、保守的になり、新しいチャレンジに取り組めていない様子があちこちで窺える。そうした状況を打破して組織を活性化し、成長を促していくために、経営者やマネジャーはどうすべきだろうか。
前編に引き続き、セールスフォース・ドットコム日本法人の宇陀栄次社長とネットイヤーグループ石黒不二代社長とともに、成長する企業を支える経営者やマネジャーの条件について考えていく。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子、撮影/住友一俊)
組織を活性化するためには
「笑い」と「失敗を責めない」ことが重要
――前回の対談で宇陀社長は、組織を成長させるためには市場のポテンシャルから目標設定をすることが重要だとおっしゃっていました。この他に、組織を成長させるために宇陀社長や石黒社長が日ごろから心がけていることはありますか。
宇陀 心がけているのは、会社を明るくすることですね。例えば、会社の全体会議で必ずダジャレを言って、社員を笑わせています(笑)。
石黒 後編がこれで始まっていいのだろうかと戸惑いながら(笑)、でも、社長自らが宇陀社長のように明るくふるまってくれると全体に必ずいい影響が出ますよね。うちの会社でも、私のところへ話しに来る社員には、最初に私の笑いを取ってから話を始めてもらうようにしています。真面目に話しかけられると、どうもモチベーションが下がるタイプで…。
宇陀 自分が笑わせなきゃいけないんですよ!「そのギャグ面白くない」とか言われたら、余計めげるじゃない。
石黒 そうですね、すみません(笑)。経営者として間違っておりました。方針変更します。