想像以上のスピードで進んでいる
北朝鮮の核・ミサイル開発

 北朝鮮は昨年、2度の核実験を行った。これまでは数年に一度のペースであったから、核の開発を急いでいる様子がうかがえる。9月の5回目の核実験は核弾頭の爆発実験ではないかと言われており、核弾頭は完成に近づいているのではないか。さらに、近々6回目の実験を行うのではないかと危惧されている。

 金正男殺害の前日の2月12日、北朝鮮は弾道ミサイル1発を発射した。「北極星2号」と名付けられたこのミサイルは高度約550km、東に500km飛行して日本海に落下した。これは移動式発射台を使用して発射したものであり、昨年8月に発射した潜水艦発射弾道ミサイルの射程を延長し、5−10分で注入可能な固形燃料(液体燃料であれば約2時間)を使用している。

 このミサイルは液体を注入しない分、衛星でミサイル発射の動きを事前に察知するのが難しく、先制攻撃「キルチェーン」が効かないミサイルであると考えられる。また、これを迎撃する場合にもこれまでのパトリオットミサイルでは届かず、最新の地上配備型迎撃ミサイル「THAAD」が必要と言われている。通常の角度で打ち上げた場合の飛行距離は2500kmと推計され、これはグアムの米軍基地に到達する距離である。

 北朝鮮のミサイル技術がこれほど急速に発達するとは、韓国の専門家も予想していなかったようである。米国本土に届く大陸間弾道弾はまだ完成していないと言われているが、そう遠くない先かもしれない。北朝鮮の核・ミサイル開発は待ったなしの状況である。

 さらに、3月6日の朝には、4発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射し、そのうち3発は日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。これは3月1日から4月末まで行われる米韓合同演習を牽制したものであろう。4発も同時に発射することは異例である。私は、軍事技術の専門家ではないが、これを同時に撃ち落とすことが可能であろうか。

 北朝鮮がこうした大量破壊兵器を使えば、逆に全面的な報復を受け北朝鮮が滅びるから使わないであろうとの常識は、もはや通用しない。