2月から3月にかけて一時下落したものの、4月に入ってニューヨークダウが高値を更新するなど世界の株式市場の基調は依然強い。しかし、2009年3月の開始以来2年を経過した上昇局面は、まもなく一服すると考えている。理由は二つある。

 一つは景気回復ペースの鈍化だ。日米欧の景気動向を示す製造業の企業景況感指数はいずれも09年初めに底をつけて上昇、10年の春から秋にかけていったん低下したが、その後は再度上昇しており、株式市場の動きとほぼ一致している。であれば、ここまでの株価上昇は景気回復に支えられたものと考えてよいだろう。足元も、震災の影響で日本の指数こそ急反落したものの、米国やユーロ圏では中立を示す50ポイントを上回り不安はない。

 しかし、米国・ユーロ圏とも指数の水準はかなり高く、ここから一段の上昇は見込みにくい。今後も50ポイントは上回るにしても、水準は徐々に低下すると予想しているが、これは景気回復ペースの鈍化を意味する。その場合、景気が株価を下落させることはないにしても、押し上げる力は徐々に薄れていくと思われる。