先週にかけて「米ドル安・円高」の動きとなっており、米ドル/円は81円台まで下落してきました。
これが、私がかねてからお話してきた米ドル/円の「二番底」を確認する動きであれば、そろそろ終盤に差し掛かっている可能性があります(「米ドル/円は「二番底」を試す動きへ。反落はいつまで続き、その後どうなるか?」など参照)。
逆に言えば、ここで下げ止まらないようならば、米ドル/円がまだ大底を打っていない可能性も出てきそうなのです。
中長期のトレンド転換が起きたのか、今が重要な時期
私は、相場の底打ちは、1回で反転する「V字型」より、何度か本当に底を打ったのかを試しながら、徐々に反転に向かう「W字型」が一般的で、今回もその可能性が高そうだと述べてきました(「再介入の有無がドル/円基調転換の鍵に。V字型ではなくW字型で大底入れか?」など参照)。
そういった中で、一時85円台まで上昇した米ドル/円は、先週にかけて81円台へと反落したのです。
ところで、協調介入をきっかけに相場が底入れし、反転に向かったケースとして、今回の参考になりそうなのは2000年9月のユーロ底入れ(「資料1」参照)と、1995年4月の対円での米ドルの底入れ(「資料2」参照)です。
この2つのケースの「二番底」は、どのような展開だったのでしょうか?
資料1
2つのケースともに、「二番底」は「一番底」から1ヵ月あまりが経過したところで確認されました。
ただ、2000年のユーロのケースは「一番底」を2%程度下回る「弱気の二番底」で、1995年の米ドルのケースは「一番底」より2%程度高い「強気の二番底」でした。
「強気」と「弱気」で異なりますが、いずれにしても、再度の為替介入をきっかけにして「二番底」確認となりました。
資料2
さて、今回の米ドル/円の「一番底」は、3月17日につけた76.25円です。
前述の2つのケースのように、「一番底」から1ヵ月あまりで「二番底」をつけるならば、この4月下旬に、いつ「二番底」を確認してもおかしくはありません。
逆に言えば、5月に入り、日本のゴールデン・ウィーク(GW)を過ぎても「二番底」をつけず、それどころか「一番底」の76.25円を大きく下回り、底割れするようならば、米ドル/円がまだ大底を打っていない可能性が出てきます。
つまり、2007年6月の高値124円台から続いてきた「米ドル安・円高トレンド」が終わっていなかった可能性が出てくるのです。
円高から円安へと中長期で見たトレンド転換が起きたのか、それはまだなのかを見極める上で、非常に重要な日柄、価格に近づいてきたと言えそうです。
金利差ゼロの局面で、「円売り・ドル買い」拡大は難しいか
直感的には、私は円高がすでに終わっていて、円安が始まっていると思っています。
円高は4年近くも続いており、経験的にはいつ終わってもおかしくない段階に入っていました(「【2011年相場見通し】米利上げ? 介入?「時代遅れのドル安・円高」は幕を下ろすか」を参照)。
そのようなところに、トレンド転換のきっかけとなりやすい協調介入が入ったためです。