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パナソニックがスポーツビジネスに
本格進出する理由

大河原克行
【第142回】 2017年3月16日
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電柱をなくす代わりに設置される地上機器を
新たなビジネスの拠点に

 一方で、パナソニックでは、スポーツ事業推進部の取り組みとは別に、東京オリンピック/パラリンピック関連で、1500億円のビジネスを計画している。

 井戸役員によると、スタジアムなどの施設関連ビジネスで400億円、商業施設や街づくり、交通関連整備などの周辺ビジネスで600億円、そして新規ビジネスで500億円を見込んでいる。

 「施設関連ビジネスおよび周辺ビジネスでは、すでに約6割の商談が確約している。また、推進中の案件が500~600億円ほどあり、すでに計画を上回る見通しがついている」と自信をみせる。

 残りの新規事業についても、「すでにいくつかの案件が進んでおり、手応えを感じている」とする。

これが無電柱化とともに設置される地上機器。都内だけで3万台ある

 新規事業のひとつとして取り組んでいるのが、東京電力と連携した配電設備などを収容する「地上機器」を活用したソリューションだ。

 2016年12月に、無電柱化推進法が成立。今後、電線やネットワークを地中に埋めて電柱を無くす「無電柱化」が首都圏を中心に進むことになるが、パナソニックと東京電力では、無電柱化に伴って設置される地上機器に、ディスプレイを埋め込み、デジタルサイネージ化することで情報を提供するほか、Wi-Fiスポットとしての活用や、各種センサー、カメラを利用したサービスの提供やセキュリティ強化を実現。将来的には、EVの充電スポットなどの活用を想定している。

地上機器にディスプレイを搭載したり、EVのチャージにも利用できる

 地上機器は約30メートル間隔で設置されており、都市部には約3万台が設置されているが、設置されているだけでなにも役に立たない「無用の長物」になっているのが実状だ。むしろ、落書きされて景観を損なうといった課題もある。

 「カメラを搭載すれば、街のセキュリティ強化に加えて、地上機器への落書き抑止にもつながる。災害時にはディスプレイから避難誘導も可能だ。自動運転をサポートするミリ波を発信することもできる。いまは、道路での動画広告を禁止する条例があり、現時点では配信が行えないという課題があるが、今後、規制緩和の動きに期待したい。地上機器を活用した街のIT化やIoTプラットフォーム推進することで、安心、安全、快適な街を作ることができる」とする。

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