マンションを買うなら価格が下がりにくいエリアの物件を、と言う人は多い。お目当ての場所にマンションが出てくるか、それを買えるだけの資力があるかは別として、まずは立地を特定してみよう。そのためには、価格との因果関係が分かっていないといけない。過去においてどんな出来事があり、価格はどのように動いたか、それがつぶさに分かれば怖いものはない。あらゆるリスクを考慮すると立地は非常に絞られることは理解しておいた方がいい。
価格が下がりにくいマンション
立地面から見る5つの条件
■第1条件:増加し続ける人口
マンションにおける新規需要は30代ファミリーの自宅需要が鍵を握っている。人口減少を言い始めると日本全国どの都市でも近いうちにNGになるが、エリアを絞れば当面の間に限って増えるところはある。
人口予測の最も小地域での単位は市区町村である。公表しているところは、社会保障・人口問題研究所(以降、社人研)と東京都などの行政に限定される。最新の予測でも、基になる実績値は2010年の国勢調査なので、直近の傾向(例:東日本大震災・アベノミクス等)を踏まえてはいないことは断っておく。
まず、社人研の予測では、今から13年後の2030年まで人口が増えるのは、首都圏で15行政区に過ぎない。東京都中央区、墨田区、江東区、稲城市、神奈川県横浜市港北区、都築区、川崎市幸区、高津区、麻生区、埼玉県戸田市、和光市、吉川市、千葉県千葉市緑区、成田市、浦安市となる。
一方、東京都の予測では、中央区、港区、新宿区、文京区であり、社人研の予測とかなり違う。ちなみに私も人口予測をする。特定の企業に対して行っているもので公表はできないが、どちらかと言うと東京都の予測に近い。