マニュアルはあっても
災害時は混乱する

 さすがは 「ぼうさい甲子園」2年連続入賞校ですね!

 個人備蓄はその子に見合った備蓄ができるので、アレルギーのお子さんでも安心です。

 災害時は混乱しますので、アレルギー対応のものとそうでないものの配布場所を分ける事がマニュアル化されていても、万全とはいえません。通常時でも事故が起こっているのですから。

 アレルギーのお子さんがいて、個人備蓄を実施している学校の保護者の方からお手紙をいただきました。

 娘は食物アレルギーです。
 東日本大震災の避難所の炊き出しの様子がテレビで流れた際、当時4歳だった娘が「ここにいたら死んじゃう…」とつぶやきました。
 当時加入していたアレルギーの子の親が集まる掲示板で、被災地のお母さんからの「食べさせられるものが手に入らない」と言った書きこみも目にしていて、たまらない気持ちになりました。
 牛乳1滴でアナフィラキシーを起こす娘は、物心がつく前から「アレルギーだから、食べられるものと食べられない物があるんだよ。ひどい場合は死んでしまうからね」と常に言い聞かせていました。娘の身を守れるのは娘だけだから。
 頭ではわかっていたつもりでしたが、実際の避難所の様子、アレルギーの子の置かれる状況に大きな衝撃をうけました。
 この状況下で、アレルギーに配慮した食事は用意してもらえるのだろうか。やむを得ず口にした食料で、アナフィラキシーを起こしたら対処してもらえるだろうか。娘がひとりの時に被災したらどうしよう。と悩みました。
 小学校に上がり、防災袋を個人で用意すると聞いて本当にホッとしました。
 アレルギーは個人個人に差があり全ての方のアレルギーに対応する食事を用意することは不可能です。
 学校からは、「最低一晩学校で過ごせるだけの食料、個人で必要なものを袋にいれて置くように」と言われていますが、三食分の食料を詰め込んであります。娘が安心できるように好きな食べ物も入れました。他にも、アレルギーカードはもちろん、日本アレルギー小児学会から出ている「災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット」から必要なページも入れて、食べ物をいただく際に見せるように伝えてあります。
 学校は地域の方々の避難場所にもなるので、大混乱になると予想されます。できる限り自力で安全を確保するように娘に教えています。
 娘が自分の体質について理解し、必要に応じて周囲のお手伝いをお願いできる事が一番の災害対策だと感じていますが、防災袋が耐震性のある学校に置かれており、その中には娘の食料をはじめ、役に立つものが入っているという事は大きな安心感につながっています。
 このシステムは、アレルギー以外の疾患を持っている方にも役に立つと思うのでぜひ、会社や学校等、毎日通う場所に「個人で用意する防災袋」が置けるようになればいいと思っています。

 お腹が空いても子どもは我慢すればいいのだなんて思わないでください。生徒用の個人備蓄があれば、子どもたちがすぐ食べられるというだけでなく、アレルギーのお子さんや、特別なケアが必要なお子さんをも救います。それだけでなく、地域の備蓄を地域の人に使ってもらうことができるので、共助にもつながるのです。

 みなさんのお子さんが通っている学校がまだでしたら、ぜひ実施していただきたいと思っています。

あんどう・りす/阪神大震災被災体験とアウトドアの知識を生かし、2003年より全国で講演活動を展開。当時、誰も提唱していなかったが、現在では当たり前になっている毎日のカバンを防災仕様にというアイデアを提案。とりわけ子育てグッズと防災グッズをイコールにしてしまうアウトドア流の実践的な内容が好評。楽しくてすぐに実践したくなる、毎日の生活を充実させるヒントがたくさんあると親達の口コミで全国に広まり、毎年の講演回数は100回以上。