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ドイツと日本は、どちらも少子高齢化、労働人口の減少という課題を抱えている。しかし実際は、ドイツ人のほうが早く仕事をリタイアし、しかも受け取る年金額も高い。なぜそんな違いが生まれるのか。(ドイツ人ジャーナリスト 志村ユリア)
日本人は稀な「長く働く国民」
ドイツ人は平均64.7歳で退職します。一方、日本の定年は60~65歳とされているものの、65歳を超えても働き続ける人が多い。OECDの2022年データによると、日本の引退年齢は約68歳です。日本人は世界でも稀な「長く働く国民」です。
日本では高齢者が長く働いているにもかかわらず、国際比較では受け取る年金がドイツより低いとされています(具体的な金額は後述)。両国は似た社会保障制度を持ち、GDP規模も近い。それなのに、なぜこうした差が生まれるのでしょうか。
背景には人口構造の違いがあります。日本と同様にドイツも出生率の低下に悩んでおり、高齢者は増え続けています。少ない若者が多くの高齢者を支えるのは共通しています。
しかし、決定的に違う点があります。それは「移民」の存在です。
移民が支えるドイツの人口構造
ドイツの外国人比率は現在、約14.5%。第二次世界大戦後、ドイツやオーストリア、スイスなどで高度成長に伴い深刻な労働力不足が起こりました。そこで1960〜70年代にかけて、イタリア、スペイン、ギリシャ、トルコなどから労働者を受け入れた経緯があります。いわゆる「ガストアルバイター」(Gastarbeiter)です。1973年のオイルショックで大量受け入れはいったん止まりますが、それまでに累計約1400万人、外国人割合は3%になっていました。
その後も外国人比率は緩やかに増え続け、2014年に初めて10%を突破しました。さらに15〜16年ごろにかけて中東やアフリカから約130万人の難民を受け入れたことで、外国人比率は再び大きく上昇。現在は、受け入れた難民の半数以上が就労しています。
一方、日本の外国人比率は現在3.2%。出生率はドイツよりさらに低い。つまり「若い人が入ってこない国では、必然的に高齢者が働くしかない」という構図です。







