お金の価値は手に入れるタイミングで変わる

 今、目の前にある100万円と遠い将来の100万円では、価値が違うということは直感的に理解できると思います。

 もし、500年後に1億円もらえるとしても、今を生きる私たちにとっては、1億円もの価値はありません。

 むしろ「いますぐ、100万円もらった方がいい!」という人もいるかも知れません。

 このように、私たちにとってお金の価値は、受け取るタイミングが将来になればなるほど小さくなっていきます。

 「お金の価値は手に入れるタイミングで変わる」という考え方はファイナンスの中でも、最も重要な考え方といえます。

石野雄一(いしの・ゆういち)
株式会社オントラック 代表取締役社長
ビジネス・ブレークスルー大学 非常勤講師
1991年3月上智大学理工学部卒業後、旧三菱銀行に入行し、9年間勤務した後退職。
2002年5月米国インディアナ大学ケリースクール・オブ・ビジネス(MBA課程)修了。帰国後、日産自動車株式会社入社。財務部にてキャッシュマネジメント、リスクマネジメント業務を担当。2007年2月より旧ブーズ・アレン・ハミルトンにて企業戦略立案、実行支援等に携わる。2009年5月同社を退職後、コンサルティング会社である株式会社オントラックを設立、現在に至る。企業の投資判断基準、撤退ルールの策定支援コンサルティング、財務モデリングの構築、トレーニングを実施している。
著書に『道具としてのファイナンス』(日本実業出版社)、『ざっくり分かるファイナンス』(光文社新書)がある。著者の会社が運営するサイト「ファイナンス用語辞典」をご活用ください。URL: http://ontrack.co.jp/finance-dictionary/

※次回は、3月27日(金)に掲載します。