『週刊ダイヤモンド』4月1日号の第一特集は「美術とおカネ~アートの裏側全部見せます。」。およそ80ページにも及ぶ大特集では、お金の流れから作家の生活、歴史から鑑賞術まで全てを網羅した。ここでは、アートが好きな経営者や学者、画家や写真家など特集で取材した“美の達人”たちのインタビューをお届けしたい。今回は、2016年5月にバスキアの作品を62億円で落札したスタートトゥデイの前澤友作社長だ。(「週刊ダイヤモンド」編集部)

世界のトップ100コレクターに
選ばれるディカプリオの自宅へ

前澤友作・スタートトゥデイ社長。前澤社長と共に写る作品はJEFF KOONS氏の「Titi」。ビニール製の風船に見えるが実は全てステンレスで重さは80kg以上。前澤社長はKOONS氏と親交がある Photo by Kazutoshi Sumitomo

──62億円でバスキアを落札されましたね。

 バスキアの作品は幾つか見てきましたが、あれほど巨大で力のあるものには出会ったことがありません。最後の最後まで迷いましたが、これほどの作品は今後出てこないだろうと思い決めました。

──オークションでは対抗馬がいたらしいですね。

 ええ。40億円から始まって、お互いだいたい1億円くらいずつ上げていくのですが、あっという間に50億円になってしまって。だんだんと、相手の決断のスピードが遅くなっていき、ついに落札したときは、ハンマーを振り落とす音が聞こえて、「やった!」と。

──取材をしていると、「前澤さんの62億円の買い物は安い。一瞬にしてMaezawaという名前が世界中に広まったのだから」と指摘した美術関係者もいました。実際に、世界のアート界のネットワークに仲間入りするようなことはあるのでしょうか?

 それはありますね。先日も、ロサンゼルスでディカプリオの自宅に招待されました。

──え? ディカプリオってあの……レオナルド?

 そうです(笑)。彼は世界のトップ100コレクターに選ばれるほど、アートが好きです。