いつかは突破したい大台であり、ステータスも高い年収1000万円。しかし、人より稼いでいるから、少しくらいリッチな生活をして当然──。高年収世帯に共通するのはお金に対するそんな“甘さ”だ。耳が痛いとしたら、あなたはどのパターンだろうか。(週刊ダイヤモンド2014年5月3日号特集「年収1000万円の不幸」より)
パターン1
寂しさから消費に走る妻
専業主婦が“家長”型
「妻が使うクレジットカードの上限は設けてません。家のことは全部やってもらってますから」
年収1000万円世帯の夫は懐も温かければ心も広いのか──。そんな羨望のまなざしを受けそうなせりふだが、フィナンシャルプランナーの横山光昭氏によると、「夫が仕事で出ずっぱりになると、奥さんが“家長”になり、暴走するケースがあり要注意」だという。
高年収世帯には夫が働き、妻は専業主婦という世帯も多い。忙しい夫は家のことにはノータッチで、家計を守るのは妻。むろん、しっかり者の妻もいるが、寂しさを紛らわすために、「専業主婦の消費の歯止めが利かなくなる場合もある」(横山氏)。
横山氏によると、お金の問題で相談に来る家庭の原因を探ると、裏には生活の乱れが必ずあるという。「そのゆがみは年収が高い人ほど如実に出やすい」というから恐ろしい。
妻が洋服を大量に買う、あるいは旅行の費用が膨らんでいる……。その理由を会話からひもといていくと、「子供の受験期でうまくいかなくてむしゃくしゃしたから」「子供と2人で旅行に行ったのは、夫がいつも遅くまで帰ってこないから」といった真情を吐露するケースは珍しくないという。
取材した中には、1人の時間が多いため、「VERY」などの“セレブ系”雑誌や芸能人のブログをチェック、気付けば「そのままそっくり買いそろえてしまう」(30代女性)という例も。
また、専業主婦は「“ママ友”という存在から逃げられないことも大きな原因」と、『格付けしあう女たち「女子カースト」の実態』の著者の白河桃子氏は分析する。