スコットランドの独立気運高まる
連合王国は崩壊の危機!?
英国のメイ首相は3月29日にEU基本条約(リスボン条約)の第50条を発動し、正式にEU離脱(ブレグジット)の通告を行うことを決めた。この通告をもって、英国とEUは離脱後の関係を決める2年間の交渉に入る。
離脱後の英国とEUが新条約を締結するとなれば、それに関する交渉は複雑になるだろう。また、新条約発効のためには、EU各国の議会承認が必要となる可能性が高い。議会承認などのための時間を考慮すると、ブレグジットの交渉期間は正味2年かからないことになるだろう。短期間のうちにかなり厳しい交渉を行うことは避けられない。
今後、どのようにブレグジット交渉が進展するかはかなり不透明だ。英国はEUの単一市場へのアクセスを放棄し、代わりに厳密な国境管理を優先する考えを示した。この影響は大きい。
すでに大手の金融機関は、現在、ロンドンにある欧州拠点を大陸に移すことを真剣に検討し始めた。またEUが離脱後の英国との貿易に関税をかけるなら、多くの企業が英国から離れるだろう。それは英国経済に無視できない影響を与える。
さらに英国にとって重要なのは、ブレグジットはイングランド、スコットランド、ウエールズ、北アイルランドからなる“連合王国”の崩壊につながる可能性もはらんでいる点だ。
すでにスコットランドのスタージョン行政府首相は、2019年までに住民投票を実施し、英国からの独立を問う方針を表明した。