全米で話題沸騰中の21の睡眠メソッドを集約した、『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』。本連載では同書の中心的なメソッドを紹介していきます。食事、ベッド、寝る姿勢、パジャマ――。どんな疲れも超回復し、脳のパフォーマンスを最大化する「睡眠の技術」に注目です!

寝室を「睡眠の聖域」にする

睡眠時間を取り戻したいと本気で思っているなら、睡眠のために絶対にやるべきことがいくつかある。まずは、寝室は寝るためだけの部屋とし、寝ようと思ったときにすぐにたどり着ける場所にしてほしい。

人間は習慣と住環境から成り立つ生き物だ。人間の脳はいつでもパターンを探している。ある環境におかれたときの行動をパターンとして認識すれば、その環境に身をおくだけで自動的にその行動をとれるようになるからだ。同じ行動をしばらく続けると、「この時間にここへ行ってこれをする」と意識しなくてもよくなる。何も考えずにその場所へ行き、自動的にその行動をとるようになる。

ここで、寝室を睡眠の聖域にするために足すべきものを紹介しよう。「聖域」というと、どんなイメージが浮かぶだろう? きれいな空気、流れる水、美しい植物、静かで穏やかな環境などが浮かぶのではないか。幸い、睡眠の場をそうしたイメージどおりの環境に整えることは難しくない。

マイナスイオン発生器で
空気を活性化しよう

きれいな空気はとても大切だ。いつも呼吸している空気にはイオンが含まれている。実は、イオンには鮮度があり、鮮度が落ちると活性する力も落ちるということをご存じだろうか? 呼吸を通じて空気から細胞に取り込んでいるのは酸素だけではない。健康に欠かせないさまざまなイオン性物質も取り込んでいる。室内の空気がよどむと、空気中からマイナスイオンが失われていく。それを何とかしたいなら、空気を動かせばいい。窓を開ける、ファンを回すといったことをするだけで、寝室の空気は活性化する。

寝室に窓がない、外気温がマイナス20度といったとんでもない環境の人は、信頼できるイオン発生器を使えば室内の空気を活性化できる。マイナスイオンは、滝、海、川、山の近くに豊富にある。そういう場所で「新鮮な空気」を吸い込んで、癒やされたと実感したことのある人は多いだろう。品質の確かなイオン発生器を使えば、同等の効果を部屋で再現することもできる。

マイナスイオンは、次の三つの点から身体にいいとされている。

1.自由電子の数を増やして空気の活性化を促す
2.臭い、菌、カビ、寄生虫、大気中の有害物質を酸化させる
3.埃、花粉、ペットのふけなどを大きな塊にする(それによって取り除きやすくなる)

イオン発生器は、寝室に限らず家全体にプラスの効果をもたらす。冬は寒くて窓やファンで換気できない人は、加湿器だけでも使ってみてほしい。空気がきれいになって眠りやすくなるうえ、粘膜の乾燥を防いでくれるので、ウイルスなどに感染しにくくなる。

加湿器を使うと空気から失われた湿度が少し戻るので、聖域のイメージにある「水」の要素も加わると言える。また、机に置けるミニ噴水やインテリアとしての「滝」の音に癒やされてよく眠れるようになったという人もいる。だからといって配管漏れは困るが、調査によると、水の流れる音を聞いた後では、鼓動と呼吸のペースが穏やかになるという。水の音には、不眠症を改善する効果が実際にあるのだ。

植物を寝室に置く

楽園に植物は欠かせない。家に植物を置くことにはたくさんの素晴らしいメリットがあるので、置かない手はない。もちろん、映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のように植物に家を牛耳られるまでする必要はない。考えて選んだものを一つか二つ置くだけで、素晴らしい効果が期待できる。

たとえば、イングリッシュ・アイビーはお勧めだ。NASAから空気を浄化する植物ナンバー1のお墨つきをもらっているし、何といってもこの植物には、高度な産業化が進んだ社会に蔓延し、神経毒とも呼ばれるホルムアルデヒドを吸収するという比類なき力がある。イングリッシュ・アイビーは非常に育てやすく、環境にも適応しやすい。バスケットでぶら下げることも、床に置くこともできる。極端に寒すぎず暑すぎない気温で、ときどき日光が当たればいい。

サンセベリアも眠りの聖域に最適だ。日光や水やりはそれほど必要としない。サンセベリアは夜間に二酸化炭素を吸収して酸素を排出するので、寝室の空気を新鮮に保ってくれる。

植物のなかには、その見た目や香りで私たちの身体をリラックスさせてくれるものもある。たとえば、つる性植物のジャスミンがそうだ。ウエストヴァージニア州にあるホイーリング・イエズス大学の調査によると、ジャスミンには睡眠の質を高める効果があるという。不安を和らげ、目覚めたときの気分をよくしてくれるからだ。ジャスミンの香りに睡眠時間を増やす効果は見られなかったが、通常の睡眠パターンの乱れを抑える効果はあるので睡眠の質は高めてくれるようだ。屋外で育てる植物という認識が一般的だったが、近年では室内で育てる人も増えている。また、ジャスミンなど植物由来のエッセンシャルオイルにも、身体のためになる効果がたくさんあると言われている。オイルをミスト状にして拡散するディフューザーを使ったり、もっとシンプルに、寝る直前にオイルを数滴枕カバーに擦り込んだりすれば、その効果を楽しめる。

少なくとも植物を一つ家に置いて、室内の空気を新鮮にしよう。植物の世話どころか自分の世話も満足にできないという人には、手間のかからない植物をお勧めする。植物を置くことのメリットを無視するのはもったいない。自分の家にふさわしく、ストレスにならない植物を見つけてほしい。

植物を置く、水の流れる音を流す、空気を新鮮に保つのいずれにしても、自分がリラックスできて心地よいと感じるものをとりいれることが大切だ。そうして寝室を、穏やかな気持ちでリラックスできる聖域に変えよう。そうすれば、足を踏み入れたとたんに夢見心地になれる。