わずか三十数年で8兆円企業へと成長したソフトバンク。多くの企業が日本経済の停滞に苦しむなか、圧倒的な拡大を続けることができたのは、孫社長の「ナンバーワン」への強いこだわりがあったからだ。なぜ孫社長はナンバーワンに固執するのか?
9年にわたり孫社長の右腕として活躍した元ソフトバンク社長室長・三木雄信氏の発売1ヵ月半で5万部を突破したベストセラー『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』から一部抜粋して紹介する。

ナンバーワンだけが総取りできる3つのメリットとは?

 孫社長がナンバーワンにこだわるのには、3つの理由があります。

(1)人が集まってくる
(2)情報が集まってくる
(3)お金が集まってくる

 たとえば、「Yahoo! BB」事業を立ち上げたとき、メンバーは孫社長と私を含めて、たった4人だったと話しましたが、ナンバーワンをめざしたおかげで、すぐに「人・情報・お金」が集まってきました。

 孫社長が突然「ADSL事業に参入して、100万件の申し込みを受け付ける」と宣言したことで、通信業界の経験や知識を持つ人たちが次々に集まりました。しかも「従来の通信業界ではできなかった新しいことにチャレンジしたい」という高い志を持った人たちが、まだ小さなベンチャーだったソフトバンクに来てくれたのです。