門外漢なのに「ナスダック・ジャパン」を開設できた理由

 証券取引所の「ナスダック・ジャパン」を創設したときも同じです。

 プロジェクトが動き出したとき、社内には金融や証券市場に詳しい人間はほとんどいませんでした。実質的な責任者を任されたのは私ですが、やはりまったくの門外漢です。

 それでも孫社長は、何のためらいもなく、「メディアを呼んで、大々的に設立総会をやるぞ!」とひと言。

 私は全国のベンチャー企業家たちを2000人集めるミッションを任され、何のつても縁もない会社にまで出席依頼のFAXを送りまくり、何とか設立総会当日に間に合わせました。
おかげでその様子はテレビや雑誌で大きく取り上げられ、証券市場に詳しいプロたちが孫社長のもとに集まってきました。

 中には、アメリカのナスダックで働いた経験がある人もいて、リアルに役立つ情報やノウハウを提供してくれたので、プロジェクトは実現に向けて急速に進み始めました。

 これらの例を見てもわかる通り、ナンバーワンになることには、単に「ランキングで1位になる」という達成感以上の大きな価値があります。

 だから孫社長がめざすゴールは、常に「ナンバーワン」なのです。

 大きな目標を設定をするときは、「ナンバーワンは何か」と考えるところから始めてください。