では具体的にどんなことが「参入障壁」になるのか、代表的なものをあげてみます。

              代表的な参入障壁

   この中でジェット機産業の一番大きな参入障壁は、①政府の規制です。航空機は大量輸送の乗り物で、ちょっとしたアクシデントが大惨事につながりますので、販売するには国の厳しい基準をクリアすることが必要です。航空機の最大市場のアメリカでも、航空機を販売するには、米連邦航空局(FAA)から認定を取得する必要があります。ホンダはFAAの管理下で2010年から数多くの試験飛行を重ね、2012年に認定を取得する目処が立ちました。

小型ジェット機事業で
ホンダの勝算はあるか

 ホンダが開発している小型ジェット機は、プライベートジェットと呼ばれ、大企業の重役が利用したり、富裕層の個人が所有したりする飛行機です。価格は日本円で約4億円ですでに100機以上の受注に達しています。なぜそんなに人気があるかというと、ホンダは独自の設計で、ライバルの従来機と比較し機内を18%広くしたほか、速度は10%、燃費性能は20%向上させ、競争力のある製品に仕上げたのが顧客から評価されたからです。