自社内部の断層を無視しながら
方針だけを打ち出す経営者はアウト

 さらに、自社の組織人事対応の取り組みについても聞いてみると、こちらは実に経営者・役員の51.4%、本部長の31.3%が信頼していないことが分かった(右図参照)。

 不信度の高さ自体も深刻であるが、信頼していない人の比率は部長以下でさらに跳ね上がり、部長の68.4%、課長の62.1%、主任・係長に至っては77.8%…ほとんどのメンバーが不信感を持っているというトンデモな事態なのである。

 このような深刻な断層を抱えた組織のトップが、いくら優れた方針や計画を伝達しても、そして誰が喧伝したとしても、その断層で遮断されることは火を見るよりも明らかだ。にもかかわらず、経営者は方針を伝達し喧伝することが仕事だというかのごとく、ひたすら伝達し続ける。そして、「方針を打ち出すと経営者の役目は果たした。後は実行する部長以下の役目だ」と言い放つ経営者がいかに多いことか。

 配水管が詰まっていることにうすうす気づいていながら、生活用水を流し続けているようなものだ。逆流してあふれかえっていることに気づいていなかったり、気づこうとしなかったりしている経営者もいれば、うすうす気づいていながら放置している経営者も少なくない。

 これらは、1ヵ月程度の期間と全国の多数協力者の労力を費やして実施した意識調査の結果であるが、自社の断層のありかは、20人程度のキーパーソンに参加いただく2時間のプログラムでも容易に見出すことができる。断層を解消させるための簡易プログラムもある。詰まった箇所を発見する方法も、詰まりを解消する方法もあるのだ。

 断層の解消なくして、働き方改革実行計画の実現はあり得ない。働き方のみならず、何か改革を成し遂げようとするならば、まずは自社に潜む断層のありかを特定し、それを解消することに力を注いでいただきたい。