経済産業省が進める「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」にセブン-イレブンやファミリマート、ローソンなど大手コンビニが合意した。いわゆるICタグを使い、無人レジのコンビニやサプライチェーン全体を効率化したりするという取り組みが進められる。決済不要の米アマゾン・ドット・コムの「アマゾン・ゴー」も真っ青のコンビニ電子タグ宣言。果たして流通にとってバラ色の未来を開く“魔法のチップ”になるか――。(流通ジャーナリスト 森山真二)

経産省の「旗振り」と
「アマゾン・ゴー」の脅威が背景

 経産省は、かねてICタグに着目してきており、遡ること2004年にはICタグの1個あたりの価格5円を目標に設定して技術開発を目指す通称「響プロジェクト」を2年間展開してきた。

 以来、今回のICタグ1000億枚宣言までの間、研究、検討を続けてきたのだろうが、今まさにICタグの大胆な構想を持ち出してきたのは、人手不足などを背景に労務費が上昇していることが引き金になっているのはいうまでもない。

 ICタグがあらゆるコンビニの製品に貼付されれば人手不足の解消、さらに、ICタグに関連するリーダーや対応するレジなど電子機器類などICタグを製造するメーカーだけでなく、情報産業機器業界などで新規需要が発生、経済の活性化に寄与できるという読みもあるのだろう。

 昨今では米アマゾン・ドット・コムがAI(人工知能)や顔認識システムなど、最新の技術を駆使した、レジ不要のコンビニ、「アマゾン・ゴー」を発表。過去、規格などでは足並みが揃うことが少なかった大手コンビニ業界だが、我が国の流通業界もアマゾンに負けてはならぬと多少の焦りもあって、ICタグの1000億枚宣言に合意したかもしれない。もっとも、ICタグで埋め尽くされた世界は、そんなにバラ色の未来なのだろうか。