個別化治療の先端走る
乳ガン(2005年の罹患数5.1万人 4位)
すべてのガンの中で、患者の特性に合った治療を選ぶ“個別化”が最も進んでいるのが、乳ガンだ。
その先駆けとなったのが、乳ガン治療薬「ハーセプチン」の登場である。HER2と呼ばれるガン細胞の増殖に関係するタンパクが過剰な人にのみ効くクスリである。
従来の乳ガン治療では、ガン病巣の大きさやリンパ節へ転移した個数をもとに、治療方針が決められるのが基本だった。だが今は、「ガンの個性によって、より適した治療が選ばれるように変わった」と、昭和大学病院の中村清吾・ブレストセンター科長は語る。