転職者数7年ぶりに
300万人台を回復の「なぜ」
総務省が今年2月に発表した労働力調査では、昨年の転職者数は306万人と、リーマンショック以降、7年ぶりに300万人台に回復している。転職サービス「DODA」を運営する株式会社インテリジェンスによれば、この4月の転職求人倍率(DODAエージェントサービスの登録者1名に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出)は2.56倍と、調査を開始した2008年1月以降の最高値。求人数も29ヵ月連続で伸び、こちらも調査開始以来、最高値となっている。
そんな世相を反映してか、最近、身の回りがにわかに転職ブームだ。10年近くフリーランスで活動していた友人のライターが、勤め人になった。友人を知る人は口々に「絶対すぐに辞める」「10年フリーでやってて、会社勤めとか無理。絶対すぐに辞める」「上品そうな会社だから周りから浮くはずだ。絶対すぐに辞める」などと言っていたのだが、試用期間も無事終了し、今なお楽しそうに仕事をしているので、下馬評を覆したかたちだ。
他にも「24時間働かされて、命の対価として800万円は安い」なんて言っている転職活動中のコンサルもいるし、クリエイティブ系の会社に勤める友人とLINEで会話していると、「絶対今年中に転職してやる」と息巻いていた。「なんで?」と聞くと「金を払わない会社、昇格させない役員、仕事を押し付ける上司、カスみたいな仕事を重いと話し合う先輩、自分より昇給してる後輩、自分より仕事量の少ない後輩を心配しろと言う上司」という呪詛のような返事が秒速で帰ってきた。つらい。