「言いづらさ」「やりづらさ」は
ルール化することで解消できる

「やっかいな年上部下は相手にしなければいい」
「年上部下の業績が上がらないぶんは、自分がカバーすればいい」

 こんなふうに考える人もいるでしょう。

 しかし、ダイバーシティ化という言葉があらわすように、現在の職場には女性もいれば高齢者もいる、正社員もいれば派遣社員もいる、さらには同期・年上の部下も存在する、というように、その構成メンバーは多様化しています。

「困った年上部下」だからといって、放置しておけない理由がここにあります。パフォーマンスが上がらないメンバーがひとりいるだけで、チーム力は著しく低下してしまうのです。

 そこで、私がお勧めする方法が「ルール化」です。

 年齢の逆転が、なぜぎくしゃくした関係を招くのかといえば、経験値がないからです。

 言葉遣いはどうするのか? 会議ではどう振る舞うのか? 叱り方は? 取引先の前では? ……と、これまで経験したことのない場面にたびたびぶち当たり、そのたびに相手の顔色をうかがいながら、間合いをはかりかねているのが現状でしょう。

 こうした状況を打開するには、事前に起こりえる問題を予測し、できるだけ問題が起きないように仕組みをつくっておくことです。職場全体で取り組んだほうがいいものについてはオープン化し、共有するようにします。

 また、年上部下への接し方や実際にトラブルが発生した場合の対処法などについても、日頃から自分のなかでルール化し、公言しておくといいでしょう。

 経験値のない年上部下との関係において、言いづらいことや、やりづらさが出てくるのは当たり前。だからこそ、あらかじめルール化しておくことによって、一時の感情に流されることなく、適切な判断や行動がしやすくなるのです。

 次回からは、具体的なルール化の考え方についてお話ししていきます。
 


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