頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

「わかります。私にも同じ経験があって…」と話す人は嫌われる。頭のいい人はどう話している?Photo: Adobe Stock

相手のターンを奪わず、質問を返す

コミュニケーションが得意で、共感力が高い人ほど、実は無意識のうちに「マウントを取る」可能性があるため、注意が必要です。

まず、「マウント」とは何かについて説明します。

私の定義では、マウントとは「相手よりも自分の方が優れているとアピールする行為」、そして「その発言によって相手の話を終わらせてしまう行為」です。

たとえば、「うちの弟がサッカーの県大会で優勝しまして」と話したときに、「ああ、そうなんですね。僕のお兄ちゃんの友達、全国大会で優勝したんですよ」と返したとしましょう。

この返しは、自分の方がすごいという優位性をアピールすると同時に、相手の話を終わらせてしまっています。

これが典型的なマウントです。

本人はマウントを取っているつもりがなくても、他人から「それはマウントだよ」と言われるのは、まさにこのようなケースです。

会話の元々のラインは、相手の話から始まります。

たとえば「県大会優勝」という話に、「全国大会優勝」と返せば、より上の話で終わらせてしまいます。

日常会話でも、実は同じような現象が頻繁に起きています。

たとえば、「この前電車に乗ってたら喧嘩が始まって、止めに入ったんだよね」という話に対して、「ああ、わかります。僕もこの前、地下鉄で喧嘩があって止めたんですよ」と返したとします。

一見すると共感しているように見えますが、内容が同レベルであっても、相手の話と同じことを話すと、相手のターンを奪ってしまっています。

これもまたマウントに繋がります。

ここで大事なのは、必ず質問をすることです。

たとえば、「僕もね、この前電車の中で喧嘩があったんですよ。あれ、大変ですよね。ちなみにその後どうなったんですか?」といったように、相手に再び話す機会、つまり“ターン”を戻してあげることが重要です。

ターンを戻さず、自分の話で終わらせてしまうと、それがマウントとなって会話が終了してしまいます。

この「ターンを戻す」ことを非常にうまく実践しているのが、明石家さんまさんです。

彼のすごいところは、「わかるわぁ~。ほいでほいで。お前、どうなったんや?」といったように、相手に共感しながら、必ず話を広げて質問を返すことで、再び相手に話させる構造を作っている点です。

共感すること自体は素晴らしいことですが、それで話を終わらせてしまうのが問題なのです。

共感して乗ったら、必ず相手にターンを戻す。

そのために質問をする。

これさえできれば、非常に良いラリーが生まれ、「この人ともっと話したいな」と思ってもらえるはずです。

「僕、共感するの得意なんですよね」という人も、自分が実はマウントを取っているかもしれないという点を、ぜひ意識してほしいと思います。

(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)