「PB黒字化」を第一に
目標の順番を飛ばすな

 こうしたマジックに惑わされるのを防ぐために、これまで政府、PBの均衡化、つまり毎年の税収の範囲内で政策経費を賄うこと(新たな借金額はこれまでの借金返済額の範囲内にすること)を最優先の目標にとしてきた。

◆図表2: PBの解説

 PBの黒字化が達成できれば、借金返済(国債償還額と利払い費の合計)のために新たな借金をする必要はなくなるので、今後は、PBの黒字を維持することによって債務残高の実額を減らしていくことが可能になる。PB黒字化の結果として、次に債務残高GDP比を減らしていくというのが、第2弾の財政目標(財政収支の均衡)である。

 この順番を飛ばして、いきなり債務残高GDP比を圧縮するという目標を立てるということは、常に金利は成長率より低いという現在の状況が今後もずっと継続するということを意味する。現に内閣府の試算では、2020年までそのような状態が続くとしている。

ぬか喜びに終わる「落とし穴」
出口戦略で金利はいずれ上昇する

 しかしこれには、逆に財政再建が遠のきかねない「3つの落とし穴」がある。

 一つは、日銀の金融政策の出口は早晩必ずやって来て、金利が上がる局面になるということである。これだけの低金利政策はどこかで方向転換せざるを得ない状況が来る。それが、国債市況などを大混乱に陥らせるハードランディングか、そうではなく自然に利上げが浸透するソフトランディングかは別として。

 もう一つは、長期金利と経済成長率の関係である。