(5)職住接近の住まいへの引っ越しの検討

 有効な「投資」となるかもしれないお金の使い方として、引っ越しを挙げておこう。

 住宅購入の勧めか、と身構える人がいるかもしれないが、検討してほしいのは、主に賃貸物件への引っ越しだ。日本の景気対策のためには、不動産を購入してもらう方が役に立つかもしれないのだが、ご本人のためには、不動産の投資・購入は、端的に言って次の不況期まで待つ方がいい。また、長期的な人口減少の影響も気になる。少なくとも、金融緩和から始まった好況の後半に不動産を買うことに対しては、筆者は不賛成だ。個人の不動産投資は、ローンによるレバレッジを利用した投資になることが多い。漠然と「実物資産にも分散投資しておくか」といった理由で投資するのは、止めておくべきだ。

 筆者がお勧めしたいのは、職住接近の物件に引っ越して「時間」を作ることだ。例えば、通勤時間を30分縮めることができると、一日に1時間多く時間を使う事ができるが、この効果は大きい。

 仕事に使うにせよ、勉強に使うにせよ、人脈形成に使うにせよ、単に1時間余計に眠ることに使うにせよ、大きなアドバンテージとなる。

(6)「他人のために使うお金」はいいお金

 お金一般に通用する原則として、他人のために使うお金は「いいお金」だ。もちろん、自分の生活や投資に使う事も悪いことではないのだが、なぜか他人のためにお金を使う方が、そもそも清々しいし、またしばしば後でお金が戻ってくるように思われる。

 寄付をするのでもいいし、親に何か感謝を示すプレゼントをするのでもいい。相手は、配偶者でも、友達でもいい。ボーナスが出て、自由になるお金がある時に、「他人のために使うお金」を使っておこう。

 効果に責任は持たないが、きっといいことだと思う。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)