高橋 それでも、いろんなスケジュール戦法とか、本当にひどいことをやられた。反対派の官邸官僚が、安倍さんの海外日程を全部先に押さえるのです。一番ひどかったのは、最初の国家公務員法改正案を出すときのことです。国会の日程が、1日足らなくなってしまい、改正案が廃案になってしまうという話になった。守旧派の官邸官僚が安倍さんの海外スケジュールなどをうまく組みこんで、日程を足りなくするわけ。しかし、安倍さんが最後に、「じゃあ、日程を延長しよう」と。ただ、この法案だけで延長するとは言い出しにくいので、あといくつか体裁が整うように法律を何個かくっつけて、国会を延長して通してしまった。

司会 それが2007年7月の国家公務員法の改正ですね。

高橋 そうです。安倍政権のときにやった1段ロケットの主な内容は、いわゆる天下りの斡旋禁止と能力主義人事の導入ですね。公務員制度改革をどうやっていくかについてはいろいろやり方があるが、基本は入口と中間と出口の改革です。入口のところは省庁別ではではなくて一括採用する、中間はきちんとした人事評価を行う能力主義人事を入れる、そして出口のところで省庁ごとの天下りの斡旋を禁止する、おおよそそういうふうにわかれる。

 1段ロケットでできなかった入り口とか中間の話――とくに官邸が幹部官僚の人事を一元的に行う内閣人事庁の設置などを、福田政権のときに国家公務員制度改革基本法という2段ロケットで、やろうとしたわけです。

組織・人・カネをおさえている
財務省こそが霞が関を運営

司会 原さんや金指さん、それに渡辺さんの頑張りがあって、国家公務員制度改革基本法が、2008年の6月に成立することになるわけですね。骨子は、①国の行政機関の内外から「国家戦略スタッフ」および「政務スタッフ」を登用する、②幹部職員人事の内閣による一元管理、③国家議員と官僚の接触の透明化、④キャリア制度の廃止と新しい採用方法の導入、⑤「内閣人事局」の設置という、画期的なものだった。