ブレーンストーミング中にノンアルを飲む会社

 ならば、いっそのこと“ノンアルコール”という表記をやめたらどうか。パケージも酒類を連想させるものから一新させて、ネーミングも「発泡麦茶」などに変えたらどうか。

 しかし、それでは今度は、“お酒を飲んでる雰囲気を味わえる”というノンアルビールの美点を味わうことができなくなってしまう。「発言小町」に投稿した女性は、朝から飲みたい気分を我慢していたため、職場でノンアルビールを飲むという行動に出た。しかし、アルコールを連想させない「発泡麦茶」では、女性の飲酒欲求を満たすことができない。困ったものだ。

 少数だが、“職場でノンアルビール”を推奨する声もある。雑誌「日経ビジネスアソシエ」の2011年6月21日号では、あるマーケティングコンサルタントの男性が、「ノンアルコールビールを飲みながら、ブレーンストーミングする」ことを勧めている。「おつまみも買ってきて“宅飲み”の雰囲気を出すと、ストレスがなく、話も弾み、創造性にドライブがかかる」のだそうである。そこまでするなら、いっそのことアルコールを飲んでしまってはどうかとも思うが、そこはTPOをわきまえた大人(?)の判断なのだろう。

 “ノンアル”という言葉に、アルコールに対しての強いこだわりがこめられているがゆえに、日常シーンには馴染むことができないノンアルビール。“職場でノンアルビールは禁止”というマナーは、まさに平成の世に現れた“B級新常識”だと言ってよさそうだ。

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(フリーライター 宮崎智之)