大手メーカー商品さえも「陳列スペースを確保するのは一苦労」といわれる売れ筋主義のコンビニで、着実に存在感を増しているのがチェーンの色が濃く出るPB(プライベートブランド)商品だ。中でもローソンの売り場では今、新勢力のPBがヒットを飛ばしている。ローソンカラーの「青」ではなく「赤」のロゴが目印のナチュラルローソンブランドだ。(コンビニジャーナリスト 吉岡秀子)
午前中によく売れる
「グリーンスムージー」
朝9時前――。出社途中のビジネスマンでにぎわう都内のローソンを見ていると、女性や40代オーバーくらいの男性がよく手を伸ばしていくドリンクがある。それはコーヒーではなく、チルド飲料と呼ばれるカップ型のドリンク「グリーンスムージー」だ。
スムージーとは、野菜や果物を丸ごと使って作る健康ドリンクのこと。以前から専門店で女性を中心に流行っていたが、2年前、ローソンがPB化したことがスムージーの本格的な"コンビニデビュー"になった。
発売された当初、筆者は「ホントにコンビニで売れるのか?」と半信半疑だった。
それが、あれよあれよと売り場面積を拡大し続け、グリーンスムージーは「野菜と果実1日分」「チアシード入り 野菜と果実のスムージー」など仲間を増やしてシリーズ化。今や約20種類の大所帯となり、シリーズ累計販売数は1億500万本に上っている(17年5月末現在)。
ほかにもここ数年で、売り場面積が急激に広がった商品群がある。「ブランパンシリーズ」と「健康菓子シリーズ」だ。