2011年度のスマートフォン出荷台数は2000万台に迫る勢いという話も聞かれるほど、スマートフォンの普及が進んでいる昨今、企業がスマートフォンを広告メディアとして活用したいという期待が高まりつつあるようだ。

 このほど、ディーツー コミュニケーションズ(以下、D2C)と「日経デジタルマーケティング」が共同で実施した「2011年企業のモバイル広告利用動向調査」によれば、調査対象540社のうち、モバイル広告出稿実績のある企業は全体の17.2%、BtoC企業では30.8%であり、その内訳は、フィーチャーフォン(従来の携帯電話)広告が16.9%、スマートフォン広告は4.1%という結果だった。

「2011年企業のモバイル広告利用動向調査」より
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 この結果だけを見ると、まだまだモバイル広告出稿実績のある企業は少ないと読み取れるが、一方で、フィーチャーフォン、スマートフォンともに出稿経験のない企業に今後の利用意向を問う質問には、フィーチャーフォン未出稿企業の13.5%が、スマートフォン未出稿企業の23.8%(BtoC企業では43.3%)が、それぞれ今後利用したい意向を示し、潜在的なポテンシャルが高まっていることがわかった(グラフ参照)。 

 同調査では、フィーチャーフォン広告を出稿したことのある企業が考えるフィーチャーフォン広告のメリットについても触れ、それによれば、「ターゲットを絞り込みやすい」「費用が手頃」などの項目が上位に挙げられている。

 マスに訴えると同時に、顧客や潜在顧客との双方向コミュニケーションを重視し、費用対効果を見極めながら商品の認知度を高めていく企業の姿勢が読み取れる。

 今後、スマートフォン向けのサイト開設やアプリが充実していくなかで、より豊かな広告表現が可能になれば、企業が求める顧客とのコミュニケーション方法の幅が広がり、スマートフォンの広告媒体としての可能性がさらに拡大するだろう。